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秘伝の味

今年の4月。とある2023年の卒業生が、大学の入学式や初めての自炊メニューの写真を送ってくださいました。
ありがとう。なかなか美味しそうだった。

折角なので、こちらからはキムチ鍋の後に作るリゾット風雑炊のレシピを送りました。
この料理(?)は、大昔に見たTV番組のワンシーンをヒントにはしたもののオリジナル要素が強く、娘や息子にも伝えようと目論んでいるほど美味しい自信作です。
全て市販の商品からなるため、とても「家庭の味」とは言えませんが、広めたい味だとは思っています。

日本で「家庭の味」と言ったら、カレーなんじゃないかな。そう思い始めて20年くらい経ちますが、これが意外に賛同を得られません。
多分、与党にはなれるけれども連立した野党には負けるくらいの割合。

実際、僕にとっての「家庭の味」は、カレーではなく母の作る幻の丼。
まだ両親と同居していたころ、夜遅くに帰宅する僕の為に母は毎日夕食の作り置きをしてくれました。
時には丼物の具だけ用意して、「今日は親子丼です。鍋の中の具を火にかけたら卵でとじてね」という書き置きを残す日もありました。
僕はその指示に従い、鍋に火をかけ、その間に丼を手に取り、炊飯器の蓋を開ける。

 

 

 

中は空っぽ。または、水に浸かった米…

 

こんなことが10回以上ありました。
こちらは流石に、後世に伝えるわけにはいかない。