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育つのか 育てるのか

この仕事をしていると、相手のちょっとした発言や行動、表情などが気になりがちですが、成績や学習に直接関わる発言で僕が最も敏感になるのが、「勉強の仕方から教えて欲しい」と「やる気を出させて欲しい」です。なぜなら、この発言を安易にしてしまう人には成長を期待し難いからです。

 

「こういう風な努力をしていますが、間違っていませんか?改善すべきところはありませんか?」という趣旨の「勉強方法を知りたい」であればむしろ期待大なのですが、現実は、「勉強の仕方を教えて」=こちらへの丸投げ。

そして、試行錯誤をしたことが無い人や嫌う人に「勉強の仕方」を教えるとどうなるか?

なーんもせん。

「商品」を注文したのに「開封」さえしない。

いやいや、頼まれた以上はうまくいくよう対応するから、とりあえず言われた通りのことをやってみようよ。拙くとも、自分なりに色々試せば何かが見えてきて、そのうち、何をすべきか自分でもわかってくるから。

 

やる気は出すものではなく出るものです。ましてや、他人にやる気を出させてもらうのは、せいぜい一時的な効果しか無い「ドーピング」です。すなわち、副作用も強い。

より具体性の強い夢や目標を持つことはやる気の向上につながると思いますが、夢や目標は他人に決めてもらうことではありません。きっかけとなるお話くらいはできるかもしれませんが、「自分の話したことが他人の人生に大きく影響する」という確信はただの傲慢。貢献できる可能性に微かな期待をしつつ真剣に考えた上でアドバイスはすれど、人生というのは99.9%、本人が選ぶものだという前提は外せません。

 

 但し、我々はやる気が「出る」要因ならば2つ知っています。1つは、学習内容を理解することです。わかれば続けたくなる。従って、我々は学習内容の理解に貢献することで生徒さんのやる気が出るお手伝いをすることができます。もう1つは、継続することです。スタート時点でやる気MAXなんて状態は、こと勉強に関してはあり得ません。続けるうちに段々と継続の意思や集中力が育っていくのです。従って、我々は理解への貢献と同時に、「とりあえずこれをやってみよう。最初は20分で良いから」という風に、すべきことを提示する形でお手伝いすることも出来ます。