· 

岡目八目

 (おかめはちもく)

 囲碁の世界から生まれた四字熟語で、「利害関係にある当事者よりも、第三者の方が適切な判断をする」という意味で用いられます。岡目の「岡」は「他」という意味で、「岡惚れ」の「岡」と同義。八目は「(囲碁の)八手さき」という意味ですね。

 小学生の時に学ぶ機会があって以降、もしかしたら一度も「再会」したことが無い言葉かもしれないのですが、人生に於ける真理の1つだなと思うことはあります。

 そしてこの考えを、学習に是非生かして欲しい。
 知識のインプットや問題演習時、自身を「覚えなくてはならない立場」だとか「正解しなくてはならない立場」だとかいった風に捉えるのを少々抑え、「これを友人に教えたり問題解説をしたりするとしたら、相手はどこを誤解したりミスしたりするだろうか。また、どこを根拠として挙げると納得してくれるだろうか」といった観点で臨むわけです。自身を「見物人」のように位置づけることで、視野が広がりやすくなり、しかもその一方で、「普通の」考え方以外の視点を持つ余裕もできます。
 うまくいく科目・分野とそうでないものとがあるとは思いますが、「どうもこの内容に関する自分の勉強の仕方は合ってないなぁ」と感じたら、いちど試してみましょう。その際、しっくりくる例や比喩を思いつけるようだと、適切な理解が出来ている可能性が高く、仮にそうでなくても、「真剣に考えた」という経験が後の財産になると言って良いと思います。
 世間では政治家が定期的に舌禍を招いていますが、あれは、大したトレーニングもせず、(非常に限定的な内輪に)ウケそうなことをその場の思い付きで言うタイプが陥りがちです。ポリティカル・コレクトネスはちょっと行き過ぎていると思うことが多々ありますが、流石に、政治の世界に身を置く人はもうちょっと配慮しないとね。
 適切な例示って、誰にとってもかなり難しいのです。
 だからこそ、真剣に取り組むとリターンが大きい。